家の裏庭の木の枝に、冷蔵保存してあるベチョ柿を刺しておくと、オナガ、ヒヨドリ、ツムギなんかが食べに来る。中でも、つがいのメジロの姿がとても愛らしい。
体の大きな鳥が食べている間は、小さな鳥は近くで待っている。相撲部屋のチャンコ鍋と同じ。
わしの部屋の窓から見えるところに餌場を作ってあるのだ。
で、以前、新聞を読んでいたら「住宅事情の変化でスズメの生存危機」という記事。今の瓦屋根のない家屋が、スズメの巣作りに適せず、数が激減しており、このままいくと絶滅するかもしれないのだと。
たまたま、読んだあとに、ふと屋根を見ると、スズメが一匹たそがれていたので、可愛そうになり、米粒を撒いた。すぐに、どこかに行ってしまったが、しばらくしたら、三十匹以上集まってきているではないか。最初のスズメが、親戚、友人、知人、隣りの奥さんにまで声をかえて呼んできたのだ。「全然、絶滅じゃないじゃ~ん!」と思いながらも、皆、喜んで食べている。チュンチュンと「ありがとう、ありがとう」と言ってるようだ。
それが、翌朝、起きると、もうスズメ連中が集まっていて、鳴き声が荒い。「おらおら、何もたもたしてんだ、はやく、米、撒け!」と言ってるのだ。
また米を撒いたが、きりがなく、嫁はんに米の減り方が早い、と感づかれるかと思って、やらなくなったら、三日で来なくなった。
わしらは団結しているのだ。